メドック格付け第5級にありながら、その実力は2級に匹敵すると言われ、実際価格も同格あるいはそれ以上で取引される赤ワイン。
そんなランシュ・バージュ。
実は白ワインも大変人気で評価も高いです。
パーカー氏も、
「最高の白ワインを彷彿させるレベルの品質だ。」
と、絶賛しており、実際飲まれた消費者の方々も高く評価(vinica)している傾向です。
生産量も少ないため、市場で見かけることも少ないワインですが、このようなワインを経験する事でさらに経験値を上げ、知識の幅を広げていただけたら嬉しく思います。
《ワイン名》 ブラン ド ランシュ バージュ
2015
2020~2031年まで飲み頃
《価格》
【8000~11000円】
そもそも売ってるところが少ないですね。
《ブドウ品種》
・ソーヴィニョンブラン
・セミヨン
・ミュスカデル
《ボディ》ミディアムボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ボルドー
《生産者》シャトー・ランシュ・バージュ
《特徴》
洗練された快活さは品格があり
熟成で落ち着きを見せる
ブラン・ド・ランシュ・バージュの特徴を【3つ】挙げます。
1、快活な果実味
豊かというよりは元気いっぱいの快活さを持った果実味が特徴的で、柑橘類などのフレッシュな果実味に加え、少しの苦味も感じ、上質な酸味は味わいを引き締めます。
2、品格もある
フレッシュな果実味は洗練されたクオリティの高いものであり、果実味だけでなくミネラル感もしっかり感じられます。
そして蜂蜜のニュアンスや樽の風味も加わった品質は味わいのバランスも良く、格付けシャトーの品格を感じさせるものです。
3、熟成で深まる円熟味
熟成させるほどに、果実のフレッシュな風味は落ち着きを見せ、熟した果実の円熟味が現れ、ボリュームの感じられるワインにも成長していきます。
【外観】
輝くレモンゴールド。
熟成するほど濃い色調に変化していきます。
【香り】
柑橘系フルーツに青りんごなどの果実香に、白い花やハチミツ、樽に由来するナッツ系の香りも感じます。
熟成するほど、生き生きとした果実香は落ち着きを見せ、熟した果実の穏やかなニュアンスに変わっていきます。
【味わい】
生き生きとした柑橘類や青りんごなどの果実味は豊かではっきりしており、少しの苦味がアクセントとなります。
強めの酸味が味わいを引き締めますが、蜂蜜の甘やかなニュアンスや、樽に由来するまろやかな風味とコクも加わり全体のバランスを保っており、心地よい余韻があります。
熟成するほど爽やかな果実味は熟した果実のニュアンスになっていき、円熟味を感じさせるスタイルに成長していきます。
《飲む時の適正温度》
【6℃~14℃】
よく冷やせば、酸味のキレが強くなり軽快な飲み口になり、温度を上げるほど酸は穏やかになり、広がりある風味を楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~15年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど飲み頃の期間は短くなりますが、比較的早くから楽しめます。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2005年 5
2006年 4
2007年 4
2008年 4
2009年 5
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 5
2014年 4
2015年 5
《適正グラス》
【ふくらみのある中型シャルドネグラス】
香りが取りやすく温度が少しずつ上がるように設計されたシャルドネグラスを選ぶことで、バランス良く味わいを感じ取れる事でしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
のどぐろのアクアパッツァ
クリーム系パスタにトリュフを乗せて
など、比較的コクのある味付けをした料理などと合わせることで、豊かなコクの広がりある上質なマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
知名度こそ低いかもしれませんが、ボルドーを代表する品格ある白ワインです。
贈答用にしても、品格ある味わいのこのワインならば喜んでもらえるでしょう。
特にワインが好きな方でしたら、あまり見かける事もないランシュ・バージュの白はとても興味深く、喜んでもらえることも大いにありそうです。
また上質な味わいを持つこのワインは、結婚記念日や誕生日、あるいは還暦祝いなど特別な人と特別な日に飲むワインにも良いですね。
きっとその味わいも加わって一生の思い出となるでしょう。
《飲んだ人の口コミ》
【良い口コミ】
「透明度の高い輝く黄金色。白い花に柑橘フルーツにアプリコット、そして心地よい樽香。爽やかな後味もあり、長く素晴らしい余韻が心地よい。5年目の2012は最高でした。」
「これは旨い!!和食との相性がとても良い。柑橘フルーツや青りんごのような爽やかさがあり旨味も豊か。温度が上がった時の風味の広がりもたまりません。2015。こりゃリピート確定級。」
「柑橘類にハーブ香、蜜の香りもある。凝縮感ある果実味に引き締める酸と少しの苦味。ボリューム感のあるワインだがスッと口に入るような飲み心地。チーズやクリームを使ったこってり系料理に合いそう。8年目の2011は翌日に成分が馴染んでより軽やかな飲み口に。素晴らしい。」
【悪い口コミ】
「悪いワインではありませんが、3年目の2014はセメダイン香が強いです。時間経過で落ち着きましたが、まだ寝かせておくべきでした。」
「あ。やっぱり私にはボルドー白は合わないみたいです・・・」
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 6%
美味しい 47%
普通 44%
良くない 3%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
多少好みの問題もあるようですが、全体的印象としてはボリューム感のある味わいでバランス良く、洗練された質感は飲み疲れしないというような傾向が読み取れました。
価格も考えれば良いワインで当然なのでしょうが、価格をちょっと上回っているのでは!?
と、感じさせる印象でもありました。
以上です。
ブラン・ド・ランシュ・バージュ。
ワインの経験が浅い人には伝わりにくいワインかもしれませんね。
ある程度いろんなワインを経験してからの方が、このワインの特徴が掴めるのかもしれません。
なかなかブラン・ド・ランシュ・バージュを検索し、ここまで読み進めてくれる方は少ないと思います。
きっと、そんな経験豊富なあなたにおすすめしたい1本とも言えます。
あなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
コメント