「ブルゴーニュの上質白でお値打ちな物はありませんか。しかもシャブリやピュリニーでは王道すぎて面白くないかな。」
こんな問い合わせをいただいたならば、私はこのワインを候補の一つに挙げるでしょう。
サントネイ。
ソムリエ試験を受けたり、ワインへの造詣が深い方であればきっとわかりますが、普通にワインを嗜む程度の方ですと、わからない方がほとんどではないでしょうか。
サントネイはコート・ド・ボーヌにあり、有名なシャサーニュ・モンラッシェのすぐ南に位置する産地で、赤をメインに白も少量生産するややマイナーとも言える産地です。
そんなサントネイにおいて、日本の一般消費者の方々に多く飲まれ、そして口コミ評価の高いワインはどれだろうという客観的視点から調べてみた結果、そのマイナーさ故に多くの方に飲まれているワインはそもそも存在しませんでした。
しかし、少ないながらも皆様の口コミを一つ一つ確かめてみると、
これはいいんじゃないか!?
と、思えるワインが2つ見つかりました。(あくまで個人的感覚ですが)
一つはプスドールのプルミエ・ルージュ。
そして今回紹介するバシェ・ルグロの村名ブランです。
バシェ・ルグロはサントネイにおいて6世代続く歴史あるドメーヌで、サントネイ、シャサーニュ・モンラッシェ、マランジュに16haの畑を所有する、家族経営の生産者。
初代から継承され続けたワイン造りへの情熱は熱く、比較的手頃な価格で飲み手を魅了しています。
《ワイン名》 ドメーヌ・バシェ・ルグロ サントネイ スー・ラ・ロッシュ
《価格》
【4500円前後】
《ブドウ品種》シャルドネ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 フランス>ブルゴーニュ>サントネイ
《生産者》 ドメーヌ・バシェ・ルグロ
《特徴》
厚みがあって
透明感も感じられ
バランス感覚に優れる
このワインの特徴は、厚みのある果実感を持ちつつ、美しい酸と凛としたミネラルもある事で、純粋さや透明感のある品質を表現している点にあり、ほどよい樽の風味は味わいに複雑性を与え、優雅さと上品さを持ったバランスの良さが感じられます。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■恵まれたテロワール(自然環境)■
日照に恵まれることでブドウはよく熟し、厚みのある果実感が得られますが、決して暑すぎない気候でもある事から、適度な酸によるフレッシュさとピュアなニュアンスも持ち合わせたワインが生まれます。
また、石灰質が豊富な土壌はミネラル豊富なワインを生み、ふくよかで凛とした気品も感じられるワインを生みます。
■リュット・レゾネ■
化学肥料や農薬を極力使用しない減農薬農法(リュット・レゾネ)を実践することで、微生物の働きなどにより健全で成分豊かな土壌が育ち、その土地の成分を吸い上げた上質なブドウが実ります。
■ほどよい樽■
樽のニュアンスが反映されやすい新樽の使用比率はおよそ30%。
ほどよく樽の風味が感じられる、バランスの良いワインを生んでいます。
【外観】
輝くレモンゴールド。
熟成が進むほどゴールドの色調は濃くなっていきます。
【香り】
柑橘類や白い花にメロンにミントといった、華やかで爽やかな香りが広がりを見せ、鉱物的なミネラル香や程良い樽の風味も加わります。
【味わい】
凝縮感のあるふくよかな果実味は純粋で透明感があり、美しい酸は味わいを程良く引き締め、心地よい樽の風味も伴った余韻が続きます。
《飲む時の適正温度》
【8℃~14℃】
冷やし気味にすれば酸味が際立ちエレガントさのある飲み口になります。
温度を上げるほどボリューム感ある風味の広がりを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から3~8年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
良いヴィンテージのワインほど飲み頃になるのが遅く、長期熟成にも向きます。
難しいヴィンテージほど比較的早くから楽しめ、飲み頃の期間は短くなる傾向です。
一般的にブルゴーニュ白のヴィンテージチャートは以下の通り。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
2010年 5
2011年 4
2012年 3
2013年 4
2014年 5
2015年 3
2016年 4
2017年 5
《適正グラス》
【ふくらみのあるシャルドネグラス】
少し温度を上げることで広がる風味を楽しめますから、香りが取りやすく温度も少しずつ上がるように設計された、ふくらみのあるグラスを選ぶことをおすすめします。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
バーニャカウダ
アワビバター
など、コクのある料理などと合わせることで、心地よい風味とコクの広がりある豊かなマリアージュを楽しめるでしょう。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《こんな場合におすすめ》
上質なブルゴーニュのシャルドネを、比較的手頃な価格でお探しでしたら、このワインを候補にしても良いでしょう。
サントネイという、ややマイナ-産地のワインは価格も手頃なところも魅力ですし、掘り出し物感も満載ですから、ちょっと珍しいワインを選びたい時は、このようなワインを選択肢に持っておいても重宝します。
《こんな場合には不適切!?》
いつもでも手に入れることができるワインをお探しでしたら、このワインはおすすめできません。
マイナーですし、売っていない可能性も高いです。
そのようなワインは大手の大規模生産者から選ぶのがベターでしょう。
ルイ・ジャドにオリヴィエ・ルフレーヴやルイ・ラトゥールなどは品質も高く、安定的に購入が可能な生産者と言えるでしょう。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
そもそもの口コミ量が少ない事もありますが、このワインの悪い点を表現する口コミはありませんでした。
【良い口コミ】
「素直に美味しいな~って思える味わい🎵。3年熟成の2016は若いながらも凝縮感のある果実味で、とても飲み応えのある味わい。」
「なるほど樹齢60~100年か。樽も効いて厚みがあってなかなかやるね。」
「透明感がありフレッシュであり、ふくよかさも兼ね備えたワイン。なかなか良いと思います。3年熟成の2014は、他のラインナップを試したくなるような出来栄えです。」
という皆様の声でした。
その他にもいくつかの口コミがありましたが、集計してみると
感動的!! 7%
美味しい 73%
普通 20%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
サントネイというマイナーイメージの強い産地の生産者という事もあり、このワインを口にしている方は非常に少なかったのですが、少ないながらもその美しくふくよかな品質に高い好感を持った方がほとんどの傾向です。
グランクリュのようなスケール感はは無いようですが、凝縮感と透明感を持ち合わせた品質への満足度は高く、価格も考慮すれば非常に優れたワインではないかと感じる結果となりました。
以上です。
今回は中々情報が少なく、イメージを掴みにくい記事だったかもしれませんね。(苦笑)
とは言え、飲む前から全部わかるワインはありませんし、もしもわかってしまったら、それもおもしろみがありません。
よって、どんな感じだろうと少しのドキドキがあるくらいが丁度良いのだと思います。
だから。
私は悪くありません。。。(笑)
話が逸れてしまいましたが、サントネイの優良ワインをお探しの時、手頃な上質ブルゴーニュの白、あるいはちょっとマイナー産地を選びたい時は、このワインを候補に入れてもおもしろいと思います。
様々なワインとの出会いは、あなたの経験値をまた上げてくれる事でしょう。
ドラクエで言ったら、キメラを倒すくらいの経験値でしょうか・・。
あなたにとって善きワインとの出会いが多くなる事をお祈りしております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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