第19回【白ワインの造り方】

【ワインの基礎知識編】

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さて、前回の赤ワインの造り方では、マセラシオンこそが赤ワイン最大の特徴で、深い色合い・渋味・複雑さを生みだすというお話をしました。

では白ワインの特徴って何でしょう。

■答え■

白ワインは果汁のみを低温で発酵させ、フレッシュでクリアーな風味になること。

白ワインは赤ワインと違って、アルコール発酵する前に果汁のみを絞って皮と種は使いません(使うこともありますがね)。

そしてその果汁のみを発酵させますが、その発酵温度も15℃~20℃程度で、赤ワインの25℃~30℃に比べて10℃ほど低い温度で発酵させます。
そうすることでフレッシュでクリアーな香り・味わいが生まれるんですね。

■白ワインの製造工程■

それでは白ワインの造り方を順を追って見てみましょう。

1、ブドウの収穫

2、除梗・破砕
ブドウの梗(こう)。実が付いてる小枝のような部分を取ることを除梗(じょこう)といいます。そしてブドウを破砕(はさい)つまり潰します。

3、圧搾
もうこの時点で絞っちゃいます!!
つまり果汁だけにします。

4、アルコール発酵
ブドウの糖分がアルコールと炭酸に変化する発酵ですね。
赤ワインの発酵温度より10℃程度低い15℃~20℃程度で1~2週間発酵させます

5、マロラクティック発酵
赤ワインではほぼ全部のワインがこのマロラクティック発酵をすると説明しましたが、白ワインではするものとしないものがあります
爽やかな酸味のフレッシュ感を残したいソーヴィニョンブランなどでは行わない場合もあります、やはり行えばまろやかで複雑味も増すため、ある程度の品質以上のワインはマロラクティック発酵をさせる場合が多いです。

6、樽やタンクで熟成
ワインの甘味・酸味などの風味がまとまりバランスが整います。

7、澱引き・清澄・濾過

7-1 澱引き
アルコール発酵で活躍した酵母の死骸、つまりは熟成中に樽やタンクの底に蓄積します。その上澄みの部分だけを別の容器に移すことで澱を除くことになり、熟成過程で数回行われます。
だだし、あえて澱とともに熟成させることで味わいに深みを与える場合もあります。その事をシュールリーと呼び、控えめな風味の品種、例えば甲州やロワールのミュスカデでよく使われる製法です。

7-2 清澄
卵白や清澄剤をワインに入れることで濁り成分がそれらに付着しワインは透明度が増しきれいになります。
そのことを清澄(せいちょう)といいます。

7-3 濾過
そしてさらにフィルターにかける(濾過)することでより澄んだワインになります。
ただし、あえて濾過をせず深みをもたせる造りも多いです、するならこのタイミングということで。

8、瓶詰め
瓶内でもさらに熟成します。

9、出荷
あなたのもとへ・・・

 

以上です。これで十分だと思います。

が、ソムリエ試験を受ける方は以上の工程を理解したうえでもう少しだけ細かい工程やその名前についても知ってください。
デブルバージュとかウイヤージュとかです。
あまり細かい事を言うと情報が複雑になりすぎますからご自身で調べてくださいね!!

■まとめ■

もう一度言います。

白ワインは果汁のみを低い温度で発酵し、フレッシュな風味を残した造り。

以上です。

 

前回では、マセラシオン覚えましょうねと言いましたが、今回はマロラクティック発酵を覚えて下さい。どっちもマから始まってややこしいですが(笑)

「この白ワインはマロラクティック発酵をしているね」などと言ったら、これはもうただものではありません!!詳しくない人にそんなこと言ったら、ただの変な事言う人になるかもしれませんけどね(笑)

あなたの頭の知恵袋にしまっておいて、知識豊富な人やワインに興味がある人の前でだけそういう会話したらどんどん深い話も出来ておもしろいですね。

まだまだワインの知識は深く果てしないですから、今後ともよろしくお願いいたします。

「ワインの宇宙」を旅するように・・・

 

 

 

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