上級バローロの長熟古酒をすぐに楽しみたい方が選ぶべき銘柄。
※2021年現在、18年~69年物がネット上で販売されています。
実際飲まれた方々の口コミ(vinica)からは、比較的若いものよりも30年以上の古酒に対する感動が大きい傾向。
これほどの古酒が簡単に購入できる銘柄は稀で、その味わいへの満足度も考慮すると、必ず押さえておきたい上級バローロだと感じました。
この記事を最後まで読み進めていただき、知識と共に深まるワインの味わいを楽しんでいただければ幸いです。
《ワイン名》ボルゴーニョ バローロ リゼルヴァ
《価格》
【1.1万~10万円】
※古酒ほど高額で2万前後が多い
《ブドウ品種》ネッビオーロ
《ボディ》 ミディアム~フルボディ
《甘辛》 辛口
《産地》 イタリア>ピエモンテ州
《生産者》 ボルゴーニョ
長期熟成古酒を生みだすボルゴーニョは、ピエモンテ州でも最も歴史ある生産者のひとつ。
1761年に創業され、1800年代にはイタリア王国として統一された祝賀会や、国賓を招いた時にボルゴーニョのバローロが登場。
つまり、当時から国を代表するワインであったことがわかります。
ボルゴーニョをさらに躍進させたのは、1920年から運営を引き継いだチェーザレ ボルゴーニョ氏。
20年以上セラーで寝かせる手法を始めたのはチェーザレ氏の新しい試みでした。
1968年に同氏は亡くなってしまいますが、その手法は継承されます。
2008年にはイタリアの高級食材販売チェーン「イータリー」の社長である、オスカー ファリネッティ氏にボルゴーニョは売却。
2010年からは息子のアンドレア ファリネッティ氏がオーナー兼醸造責任者として就任。大学で醸造学を修めた同氏は、伝統を守りつつ更なる躍進を目指してワイナリーの舵取りを担っています。
《味わいの特徴》
しなやかで複雑
滋味深い味わいを持った
バローロ古酒の代表格
このワインの特徴は、長期熟成酒ならではの円熟したしなやかさや滋味深い味わいがあるところ。20年程度の熟成物ではまだまだ構造がしっかりした味わいがありますが、さらに熟成期間が長いものほどしなやかさや滋味深さが増し、エレガントさが際立つ傾向で、長期熟成バローロの代表格と呼べる奥深さが感じられます。
そのような品質になる理由をいくつか挙げましょう。
■品種の個性と長期熟成■
バローロに使用されるネッビオーロは、ピノノワールに近い透明感のある色調。そして強めの酸と収斂(しゅうれん)性のあるタンニンが特徴的で、適度な果実味と出汁の効いたような旨味が感じられます。
長期熟成で酸やタンニンはワインに溶け込むことでしなやかさが増し、タバコ、トリュフ、革製品など複雑な風味を伴った深い味わいが現れてきます。
■優れたブドウのみを使用■
ボルゴーニョが所有する
《カンヌビ》
《カンヌビ ディ サン ロレンツォ》
《フォッサーティ》
以上3つの優れた畑の中でも、特に優れたブドウだけを選び抜いて醸造されます。
長期熟成に耐える豊富なタンニンや上質な酸、そして充実した果実味とミネラル感を持ち併せており、熟成する事で実力を発揮します。
■自然派■
栽培においては農薬や化学肥料は一切使用しません。土地の天然酵母など、様々な生き物たちの働きが加わった土壌は健全で成分豊かな状態になり、その成分を吸い上げたブドウはピュアで充実した味わいを持ったワインを生みます。
また醸造においても、人口酵母を添加するのではなく、天然酵母によって発酵させており、土地の個性を反映したピュアなワインを生んでいます。
【外観】
オレンジがかったガーネット
熟成するほど透明感のあるレンガ色に近づいていきます
【香り】
プルーンやラズベリーの果実香にレーズンのニュアンス。クローヴやシナモンなどオリエンタルスパイスや、革製品や紅茶などの熟成香も加わり、複雑で芳醇な香りが広がります。
【味わい】
充実感のある果実味は適度な甘味と旨味を伴い、豊富なタンニンが構造を形成。美しい酸が味わいをまとめると、心地よい旨味や複雑な風味を残した長い余韻が続きます。
熟成期間が長くなるほど成分が溶け合いしなやかさが増長。出汁が効いたような上品なコクが広がるエレガントな味わいになり、紅茶や枯葉や革製品などの複雑な風味も相まって、滋味深い味わいへと変化していきます。
《飲む時の適正温度》
【14℃~18℃】
少し冷やし気味にすれば酸やタンニンが際立ち引き締まった印象。
温度を上げるほど酸やタンニンは穏やかな印象になり、甘味や複雑な風味の広がりを楽しめるでしょう。
※ワインを飲む時の適正温度については、
第11回【ワインの適正温度】
でも確認できます。
《飲み頃と当たり年》
【飲み頃】
ブドウ収穫年から15~80年
※一般的傾向や口コミから推測
【当たり年】
参考までに、ピエモンテ州のヴィンテージチャートも載せておきます。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向があります。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1952年 5
1958年 5
1961年 5
1964年 5
1971年 5
1980年 3
1981年 3
1982年 5
1983年 2
1984年 1
1985年 5
1986年 4
1987年 3
1988年 4
1989年 5
1990年 5
1991年 2
1992年 2
1993年 3
1994年 2
1995年 3
1996年 5
1997年 4
1998年 4
1999年 4
2000年 5
2001年 5
2002年 2
2003年 3
2004年 5
2005年 4
2006年 4
2007年 5
2008年 4
2009年 3
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 4
2014年 3
2015年 3
2016年 5
2017年 3
《適正グラス》
【バルーン型ブルゴーニュグラス】
複雑な香りと、円熟した奥深い味わいを持ったワインです。
香りが取りやすく、甘味を感じやすい形状に設計された、ふくらみのあるバルーン型ブルゴーニュグラスを選ぶと良いでしょう。
※ワイングラスの選び方の知識は、
第13回【ワイングラスの特徴・選び方】
でも確認できます。
《相性のいい料理》
和牛のヒレステーキ
マガモ鍋
円熟した深い味わいを持った特別なバローロで、料理とワインが互いを高め合うマリアージュが楽しめるでしょう。
合わせる料理も上質で程良いコクを持ったものが適切で、ワインの複雑な風味は野性味のあるジビエ料理ともマッチします。
※もう少し相性について知りたい方は、
第15回【ワインと料理との相性・マリアージュ】
でも確認できます。
《飲んだ人の口コミ》
【悪い口コミ】
良いワインには違いないが、期待しすぎは良くないですね。20年熟成の98は閉じているのか、こんなもんかな~って感じ。そのまま3日経過したら良い香りが広がるようになってきましたけどね。
29年熟成の89は完全なる熟成を感じさせるレンガ色。これって旨いのかな?(笑)私にはわかりません。
ボルゴーニョにしては若き03で16年熟成。複雑な芳香で期待は高まります。染み入るような深みのある味わいではありますが、香から連想されるほどではなかったかな?ゆっくりと楽しんだのですが、何か力を出し切らないまま終わってしまった印象です。。。
【良い口コミ】
一本飲み終えても飲みたりないと思わせてくれた素敵なバローロ。17年熟成の2000はエネルギッシュな生命力に溢れた味わいであり、古酒らしいこなれた感じもある。飲むほどに味わいの変化も楽しめる素晴らしいバローロでした♪♪
ワインの生命力とはこれほどか。。。なんと1967だよ。51年熟成という事もあり抜栓直後は酢のような味がしたから、もう終わってしまっているのかな。。。とも思いましたが、目覚めてくれました。紅茶やオリエンタルスパイス、オレンジピールなど滋味深い香りと味わいがあり、身体に自然に染み入るような感覚があった。
いろんな造り手のバローロ古酒を経験してきましたが、断然ボルゴーニョをおすすめします!!50年熟成の67も最高の状態。50年経過してもこの若々しさ!!美魔女か!?って。(笑)もう満点ですね。
先人に敬意を表すべき味わい。1937年は79年熟成で、今なお若さを感じさせる透明感のある色調。甘い果実味と、しなやかで美しい酸。そして長い余韻。素晴らしい古酒です。
という皆様の声でした。
その他にもたくさんの口コミがありましたが、集計してみると、
感動的!! 23%
美味しい 57%
普通 20%
良くない 0%
というニュアンスが伝わってくる結果でした。
古酒だけが市場に出回っており、一番若いワインでも16年物。中には戦前の80年近い熟成物がある事が非常に印象的な銘柄でした。
20年以下の熟成物に関しては、美味しいのだが少し閉じ気味で、開くのに時間が必要と感じるコメントもチラホラ。
30年以上の熟成物に関しては、しなやかでまだまだ生命力を感じる味わいに感動的評価を与える方が多い傾向でした。
ただし、数十年を経過しても飲めたこと自体に感動してしまうという付加価値が多少あるかも!?とも感じました。
また、ボトルごとの状態の差もあるでしょうから、そのようなリスクも受け入れつつ楽しみたい銘柄だとも感じました。
とは言え、これほどの上級バローロの古酒をすぐに楽しめる銘柄は稀。
円熟した特別感溢れる味わいを体感できる、最適なバローロなのではないかと感じる結果となりました。
まとめ
それでは最後に情報整理です。
ボルゴーニョ バローロ リゼルヴァは
【価格】
1.1万~10万円
※古酒ほど高額で2万前後が多い
【味】
長期熟成酒ならではの円熟したしなやかさや滋味深い味わいがある。
20年程度の熟成物ではまだまだ構造がしっかりした味わいがあるが、熟成期間が長いものほどしなやかさや滋味深さが増しエレガントさが際立つ傾向。
【飲み頃と当たり年】
・飲み頃
ブドウ収穫年から15~80年
※一般的傾向や口コミから推測
・当たり年
ピエモンテ州のヴィンテージチャートは以下の通り。
良い年ほど成分が充実し、飲み頃になるのは遅いが長期熟成に向く。
難しい年ほど成分はやや希薄になり、早く飲み頃に達するが長期熟成には向かない傾向がある。
5点 秀逸な年
4点 良い年
3点 平均的な年
2点 やや難しかった年
1点 難しかった年
0点 悪い年
1952年 5
1958年 5
1961年 5
1964年 5
1971年 5
1980年 3
1981年 3
1982年 5
1983年 2
1984年 1
1985年 5
1986年 4
1987年 3
1988年 4
1989年 5
1990年 5
1991年 2
1992年 2
1993年 3
1994年 2
1995年 3
1996年 5
1997年 4
1998年 4
1999年 4
2000年 5
2001年 5
2002年 2
2003年 3
2004年 5
2005年 4
2006年 4
2007年 5
2008年 4
2009年 3
2010年 5
2011年 4
2012年 4
2013年 4
2014年 3
2015年 3
2016年 5
2017年 3
【口コミ】
20年以下の熟成物は、美味しいのだが少し閉じ気味で、開くのに時間が必要と感じるコメントもチラホラ。
30年以上の熟成物は、しなやかでまだまだ生命力を感じる味わいに感動的評価を与える方が多い傾向。
- 若いワインには無い円熟した魅力的味わい
- 口コミでの評判もかなり高い
- 贈り物にしてもかなり古いのでインパクトがある
- 意外と簡単に買える
といったところでしょうか。
選択肢の一つに、このような古酒を持っておくのも幅が広がりますね。
あなたのワイン選びの一助になれれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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