前回ではフランスの産地別特徴についてお話しました。
今回はそれ以外の世界各地の有力産地の特徴について解説していきます。
フランス以外の ワイン産地別特徴
【イタリア】
非常に多くの品種から様々な味わいのワインを生みだし、生産量も常にフランスとトップを争うワイン大国。
フランスより南に位置する温暖な気候で、南北に長く南へ行くほど果実味が凝縮され酸は穏やかになる傾向があります。
そして各州(全20州)ごとに使用可能品種が異なり、さらに多くの品種の使用が認められているため味わいも多種多様です。
そんな数多くある品種の中でも特にイタリアで有名なネッビオーロとサンジョベーゼについては少し触れておきましょう。
【ネッビオーロ】
イタリア北部のピエモンテ州のバローロやバルバレスコに使われる品種で、しっかりとした渋みとコクがあり、熟成するとより複雑な香味が現れ、荘厳で高品質なワインを生みだしています。
【サンジョベーゼ】
イタリア中央部のトスカーナ州でキャンティやブルネロ・ディ・モンタルチーノなどに使われる品種で、安くて並質のものは酸が強めの軽いタッチに。
上質なものは深みのある味わいでコクも豊かで、長期熟成に向くワインを生みます。
【イタリアワインの格付け】
格付けも存在し、各州ごとで決められた品種で熟成期間などの様々な規定をクリアした場合にDOCGなどをラベルに表記できます。
格上から順に
- DOCG
- DOC
- IGT
となり、各下へ行くほど産地、品種、製造工程などの規定がゆるくなるので品質は劣る傾向です。
ちなみにバローロもキャンティもDOCGです。
しかし、これは世界的に言えることなのですが、規定にとらわれず上質なワインを造ろう!という風潮もあり(例えばサッシカイアやルーチェなど)DOCGでなくとも上質ワインも多く存在するので、あくまで目安と考えたほうがいいですね。
もっとくわしく知りたい方は、
・第62回 イタリア全体像
・第63回 ピエモンテ州
・第64回 トスカーナ州
・第65回 ロンバルディア州
・第66回 トレンティーノ・アルト・アディジェ州
・第67回 フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州
・第68回 ヴェネト州
・第69回 エミリア・ロマーニャ州
・第70回 ラツィオ州
・第71回 アブルッツォ州
・第72回 カンパーニャ州
・第73回 プーリア州
・第74回 シチリア州
・第75回 イタリアその他の州
で確認できます。
【スペイン】
世界最大のブドウ栽培面積を持つワイン大国
フランス・イタリアには生産量では劣るものの、ブドウ栽培面積では世界一のスペインです。
赤ワインが特に有名で、ボルドーの影響を受けていることから、複数品種のワインをブレンド(アッサンブラージュ)する習慣がありやや温暖な気候なことから、凝縮感のある複雑でスパイシーなものが多いです。
白ワインはそれほど見かけませんが、フレッシュでフルーティなカジュアルなものが多いです。
それから忘れてはいけないのが、コスパに優れたスパークリングワインのCAVA(カバ)、アルコールを添加した酒精強化ワインと呼ばれるシェリーもスペインで造られています。
もっとくわしく知りたい方は、
・第79回 スペイン① 特徴・格付け
・第80回 スペイン② 主要産地・有名ワイン
で確認できます。
【アメリカ】
はっきりとした熟した果実の味わいでカリフォルニアが有名
アメリカワインと言うよりもカリフォルニアワインと言うほうが一般的で、それほどカリフォルニアが特に有名です。
日照時間がとても長いことで赤・白共に非常にはっきりとした熟度の高い果実味があり、樽の香りもしっかりついた厚みのあるワインが多いです。
ブドウは単一で使われることが多く、ラベルに品種名が書いてあることが多いので、選びやすくそして品種の個性を感じとりやすい産地ともいえます。
そんなワインの中でも特に高品質なワインはカルトワインと呼ばれ、多くのワインファンを虜にしています。オーパスワンが有名ですね。
もっとくわしく知りたい方は、
・第94回 アメリカ① 特徴・品質分類
・第95回 アメリカ② 主要産地・有名ワイン
で確認できます。
【チリ】
バランスよくコスパに非常に優れたありがたい産地
ブドウ病害がないこと事や人件費が安いなどの理由から、非常にコスパの良いワインを造っています。
エレガントで繊細なブルゴーニュとジューシーでグラマラスなカリフォルニアの中間程度のバランスのよい味わいです。
もっとくわしく知りたい方は、
・第96回 チリ① 特徴・品質分類
・第97回 チリ② 主要産地
で確認できます。
【アルゼンチン】
コスパに優れ赤ワインを生むマルベックが有名
アルゼンチンといえばなんといってもマルベックという黒ブドウが主要品種で有名です。非常に色濃くコクがあり穏やかな味わいが特徴です。
白ワインはチリのようなバランスのよいものを造ります。
もっとくわしく知りたい方は、
・第98回 アルゼンチン
で確認できます。
【オーストラリア】
明るく強い果実の味わい、シラーズが有名
赤白共に明るく強いフルーティな果実味があり、コスパに優れたワインを造ります。
黒ブドウのシラーズが有名で、濃厚な果実味でスパイシーなワインを造ります。
もっとくわしく知りたい方は、
・第91回 オーストラリア① 特徴・品質分類
・第92回 オーストラリア② 主要産地
で確認できます。
【ドイツ】
香り高いリースリングや官能的な極上甘口ワイン
リースリングで有名な産地で、酸味が豊かでアロマティックなワインが多いです。
また、糖度の高いブドウを使うほど品質が高いと考える独特の評価基準もあり、世界最高峰の極上甘口ワインも造られます。
とはゆうものの世界的に辛口ワインが好まれるようになった現在では、上質の辛口白ワインやピノノワールなどからも上質で辛口の赤ワインも造られるようになりました。
もっとくわしく知りたい方は、
・第76回 ドイツ① 特徴
・第77回 ドイツ② 格付け
・第78回 ドイツ③ 【13】の産地
で確認できます。
【日本】
明るくフルーティな味わいが主流で急成長の途中
雨が降るなどの不利な気候条件もありますが、醸造技術の進歩で年々品質を上げています。
現在(2018年)のところ明るい果実の味わいで、フルーティで軽快なワインが多いです。
もっとくわしく知りたい方は、
・第101回 日本ワイン① 日本ワイン特徴・主要品種
・第102回 日本ワイン② 品質表示・GI
・第103回 日本ワイン③ 日本ワインの歴史
・第104回 日本ワイン④ 山梨・長野
・第105回 日本ワイン⑤ 北海道・山形
で確認できます。
以上です!!
もちろんこれで全てではありませんが、特に有力だと感じる産地についてザックリ解説しました。
これらの知識を参考にワインを選んでもらえれば、想像した味わいのワインを選べる確率がグン↑とアップすることでしょう!!
※思った味と違ってもそれはそれで楽しんでいただければ幸いです。
あなたのワイン選びに役に立てるとワクワクしております。
そしてあなたのワインのある生活が豊かになる事を願っております。
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